グローバルマーケットウォッチ 2019年5月12日
予期せぬマーケットリスクの恐ろしさ
先週の当ブログで、「程よい投資環境」と題し、当面のリスク資産への楽観的な見方を示した。
また、多くの我が国の投資家が心配していた(私はしていなかったが)連休中の日本株への海外勢の仕掛け売りもなかった。
ところが、連休最後にトランプ米大統領が懸案の米中交渉破断を思わせるちゃぶ台返しのようなツイッターを公表。今週開けから、世界のマーケットは大荒れになるのではと投資家を慌てさせた。
予期せぬマーケットリスクの恐ろしさを感じさせる出来事だった。
こうしたリスクはマーケットにはつきものとは言いながらも実際に遭遇してみると、一時的な反落は幻想に過ぎないとはわかっていても、冷静でいるのはなかなか難しい。
現金性資産が十分あれば、なにも心配には及ばないということを認識するのにいい機会になったのではないだろうか。
この一週間の値動きをみていて、多少ボラティリティーは高まったものの、投資家は意外と冷静だったと感じている。
米ダウ30種平均:ー2.1%
米ナスダック : ー3.1%
日経ダウ:ー4.1%
ドイツダックス:ー2.9%
新興国株指数:ー5.1%
それは、以下の理由が考えられる。
(1)世界経済のファンダメンタルは良好のままである。
(2)トランプ氏の今回の措置は、特有の交渉術の一環であろう。
(3)関税の引き上げが世界経済のファンダメンタルに影響
を及ぼすには時間的余裕がある。
(4)今回のような地政学的ニュースに対しては、当初は消
化難で、マーケットの反応はおおきいが、短期間に反
転するものだということを投資家は何回も経験してる。
来週以降も、個人投資家は従来の長期展望に立ったポートフォリオを維持し、冷静にマーケットを見守る姿勢を貫いていただきたい。