グローバルマーケットウォッチ 2019年8月17日
債券市場の方が心配 2019年8月17日
世界の株式市場は、まるでローラーコースターのようだ。実にトランプにふりまわされているという印象だ。
足元は、香港情勢の悪化、米国債2年ものと10年ものの利回り逆転(景気後退の予兆)などの不穏な状況が加わり、やや水準を下げているが、パニック的な売りが続いているわけではない。
ボラティリティーは高まっているが、陶酔状態にあるとは言えないだろう。
私からみれば、まだ理性的な動きである。2007ー8年のリーマンショックのトラウマがもたらす動きではないか。
一方、債券市場は100年もの(オーストリア国債利回り0.6%)まで買われるほど陶酔状態に陥っていると言えよう。過去に例がないほどの現象で、先行きの不安だけ高まっている。
プロの投資家は、現金に多くを置いておくことは許されないため、Yield Hunting(利回り狩り)に余念がなく、債券、REIT(米国REIT:年初来+18%)、金(年初来+19%)と買いあさっている。
個人は一部、高い現金収入の期待できるREITに向かってはいるが、大部分は現金を温存しているとみられる。
心配なのは債券市場である。しかし、債券市場が崩れた時は株式市場も少なかれ影響を受ける。その時は長期的観点での株式のいい買い場がやってこよう。
各国の金融当局が金融緩和を続け、債券市場が大きく崩れることがなければ、世界の膨大な緩和マネーはさらにどこにむかうのだろうか。
株式市場しかないだろうと思っている。
ある程度の現金ポジションを持ち、じっくり投資機会を待つことが賢明であろう。