グローバルマーケットウォッチ 2019年11月25日
株式を売っても、資金の置き場所がない。 2019年11月25日
米中問題、香港などの地政学リスクが燻り、企業収益などの経済ファンダメンタルでもそんなにいいニュースがない中で、グローバル株式は実にしっかりとした値動きである。
投資家は上値を追うわけではないが、あまり動揺していないようだ。少しでも株式を売って、リスク回避をはからないのは何故だろうか。
長年、グローバルに資産運用してきた私なりに考えると、株式資産を売っても、リスクとリターンのバランスから見て、資金の持っていき場所がないからではないか。
通常は株式から債券に資金を移すところだが、今、債券は利回りが極端に低い一方、値下がりリスク(金利上昇リスク)が高い。とても、代替資産になり得ない。
REITは株式同様すでに買われすぎの状況。
ヘッジのための金や現金資産もある程度は保有しているだろうから、さらに買い増せば、リターンは落ちる。
2020年にかけても、米中問題は片付かないだろうし、波乱が予想される米大統領選挙、景気後退懸念などで、短期的には波乱の展開も予想され、株式投資のリターンはそう高くは期待できないのを前提でも、株式資産のウェイトを下げるわけにはいかない。