マーケットは本当に先を見ているのか 2020年6月7日
世界の株式市場をひっぱる米国株が、5月の雇用統計で全く予想をしていなかったサプライズ数字(予想のマイナスの減少から一転増加)が出たことで、一気にリスクオンとなり、全ての株価指数が2月に始まった急落前の水準をほぼ回復した。
これは歴史上の急落相場後の回復テンポの中で最短である。誰も予想していなかったことだろう。
欧州株、日本株、新興国株も順調に、急落分の70-80%を取り戻している。
借入が膨らんでいる低格付け企業中心の米高利回り債券ファンドにも大量の資金が流れ込み、利回り低下が起きている。
常識的には危うさを感じる。
マーケットはコロナ禍、米の民衆暴動の多発などは無視しており、資本市場と経済社会がこれほど乖離したことはかつてなかったと言わしめるほどである。
これはかつてなかったほどの世界的な金融、財政出動のもたらす巨額な流動性余剰のもたらす結果としか言いようがない。
株式市場は先を見て動くとよく言われるが、強気でいいのかもしれないと思わせるある専門家の分析を紹介しておく。
『目を中長期に転じれば、今、時代はこれから50年は続く新たなテクノロジー革命(Age of connected intelligence)の真っ只中にいる。こういう時は多少の経済変動は乗り越えて成長する。過去150年にわたって、いろいろなテクノロジー革命が起きており、成長を加速して来た』
短期的には、きちんとリスク管理に心がけ、長期的にはテクノロジー株、ヘルスケアー株にウェイトをおいた投資を維持するという私のスタンスに合っている。